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左官壁が最近少なくなったのは、どういう理由なのでしょうか?

自然素材の木と紙と土で作られてるのが日本の建築でありました。そんな時 代にはシックハウス症候群もなかったのです。
木舞掻き、漆喰塗り、掻き落し、なまこ壁、人研、叩き、洗い出し等、懐かしい言葉が消えて行きます。

最たる原因は前近代的な工法によるものと思われます。
壁下地作りから始まって、下塗り、乾燥、上塗り、乾燥と工程を踏むので、工期短縮を図り たいクライアントの要望と相容れないのです。
和室でさえ和調のビニールクロスが使われるようになりました。大変に嘆かわしいことです。さらには施工過程での汚れが若い後継者不足へとつながっています。

日本古来からの左官壁を残すには、

  • 健康な住まいとなることを見直し、
  • 塗り壁のテクスチャーの良さを見直し、
  • 建設行為にクライアントが積極的に参画してくること

以外に方法はないと思われます。そうすることによって伝統的な職 人芸を残してやって頂ければと思います。極少ながら、若い後継者は今でもいます。

最近のある現場での出来事でした。左官職が大磯の洗い出し仕上げを始めた途端、 ほかのすべての職方が全員手を休め、その技に見入ったことがありました。これほどまでにこの仕事は人の心を打つものであります。 

『月刊ぷらざ2003年3月号掲載』回答:下田進(JIA会員)

6 月 13, 2005 カテゴリー: 材料 |

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